子供でも発症のリスクがある骨肉腫|転移する前に発見しよう

骨から増殖する異常細胞

放置せずに早期治療を

ドクター

骨は、他の組織と同じように細胞分裂を行うことで徐々に太く長くなっていきます。しかしその細胞分裂の過程で、DNAを正常にコピーできなかった異常細胞が誕生することがあります。通常は異常細胞は免疫細胞によって撃退されますが、増殖の勢いが強いと、撃退が追い付かないことがあります。これにより骨でどんどん異常細胞が増えていく病気が、骨肉腫です。骨肉腫は、成長過程にある子供が発症しやすい病気です。子供の関節部分では、成長のために盛んに細胞分裂が行われているので、その分異常細胞が誕生するリスクが高めとなっているのです。とはいえ発症率は低めで、患者の増加数は年に200人ほどと報告されています。しかし発症が珍しい病気だからこそ、骨肉腫ということに気付かずに放置してしまい、悪化するというケースもあります。また初期症状は、成長痛とよく似た軽度の関節痛なので、そのことからも骨肉腫の発症は気付かれにくいと言えます。放置していると、関節痛が徐々に強くなる上に、腫れにより患部を動かすことが困難になります。さらに周辺の臓器へと転移する可能性もあるので、骨肉腫は早期発見および早期治療が肝心とされています。治療は、かつては患部を含む広範囲を切り取るという方法で行われていました。たとえば足の切断などですが、近年では患部のみを切除して、その周辺に散らばった異常細胞の増殖を抗がん剤で抑えるという治療が主流となっています。転移も防止されやすくなるので、この治療により約60%の患者が骨肉腫を克服できています。

肺への転移に注意

診察室

病気にも多くの種類がありますが、子供や青年期など若い世代に多い病気のひとつに骨肉腫があります。骨肉腫は初期症状として肩や膝周辺の痛み、腫れや熱感、関節が曲がりにくいなどがあげられますが、スポーツをしている人などは筋肉痛などを勘違いして受診しないことも少なくありません。気づいたときにはかなり症状が進んでいることもありますので、初期症状を見逃さないことも大切です。骨肉腫の治療はかつては、腫瘍ができた腕や脚などを切断する治療がよく選ばれていましたが、最近では人工骨や骨移植で切断を避けられることも多くなっています。骨肉腫は不治の病とも呼ばれいた時期がありましたが、医療が進化していることもあり、がんの中でも比較的治りやすいものとなっています。とはいえ、遠隔転移もしやすい傾向にありますので、その転移を防ぐことも大切となります。外科手術のほかでは抗がん剤による治療、放射線療法も合わせて行うことも多くなっています。骨肉腫の予後は肺転移があると悪くなる傾向にありますので、肺転移を防ぐことが大切です。骨肉腫からの転移は2〜5年以内に起こるとされていますので、その期間は転移しないようしっかりと治療を行う必要があります。肺転移があった場合は呼吸が苦しくなる、長く咳が続く、血痰が出るなどの症状が出てきます。肺転移してしまった場合は抗がん剤や手術などの治療で対応していくこととなりますが、治療が進化したこともあり、かつてに比べて肺転移があった場合も5年生存率はかなり改善しています。

発生しやすい部位と治療法

看護師

骨肉腫には発生しやすい部位があります。最も発生しやすいのが膝周辺の骨で、全体の6割を占めています。太ももの骨の中でも膝に近い部分である大腿骨遠位腰の骨の膝に近い部分である脛骨近位に発生することが多いです。それ以外には股関節周辺や肩関節周辺にも発生します。稀に顎の骨や骨盤や背骨などにも骨肉腫が発生する場合もあります。腫れがわかりにくい部位の場合は、自覚症状を感じるまでに時間を要してしまうことがあります。その結果、腫瘍がある程度成長するまで放置してしまったり、痺れ等を感じてから医療機関を受診することになってしまいます。治療法は、服薬や放射線治療などの他にも、人工骨を埋め込んだり、骨の移植手術などの外科的手術をすることもできます。骨肉腫というと手足を切断するという印象が大きいですが、最近では技術も進歩しており発生した部位だけを切除して手足を残すという方法もあります。骨肉腫は転移しやすい癌です。転移している場合は、外科的手術だけでなく長期にわたり様々な治療法を併用するケースが多いです。早期発見をすることが、骨肉腫の治療の鍵です。長期間にわたって特定の部分に異変を感じた場合は一度病院を受診してみると良いでしょう。膝などの骨肉腫が発生しやすいとされている部位に継続的に痛みや腫れがあったり、熱を帯びている場合は特に注意が必要です。日頃から自分自身の身体の状態にしっかりと注意を払っておきましょう。